レントゲン検査の被ばく量
2024/04/12
今回は、インプラント検査の被ばく量についてご紹介します。
インプラント治療は、顎の骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋入し、その上から上部構造(人工歯)を被せる手術です。外から見ただけの情報だけでは手術に必要な情報が十分に得られないため、レントゲンによる検査で得られる情報が非常に重要になってきます。レントゲンと聞くと被ばく量が心配な方もいらっしゃいますが、それぞれの検査での被ばく量はどの程度なのでしょうか。
何もしていなくても被ばくする「自然被ばく量」とは?
私たちが放射線による被ばくを受けるのには、自然界から受けるものと人工的に受けるものの2種類があります。前者は、空気中や大地、宇宙、食物から受けるもののほか、飛行機に乗ったときに受けるものもあります。後者については、医科および歯科におけるレントゲン検査などです。日常生活を送る中で何もしていなくても放射線を受けていることを「自然被ばく」といいます。年間に受ける自然被ばく量を合計すると世界平均で2.4ミリシーベルトといわれており、日本においては平均1.5~2.1ミリシーベルトです。
各レントゲンにおける被ばく量
では、人工放射線による被ばく量はどの程度なのでしょうか。
・パノラマレントゲン…約0.03ミリシーベルト(1回あたり)
・デンタルレントゲン…約0,01ミリシーベルト(1回あたり)
・歯科用CT…0.1ミリシーベルト(1回あたり)
このように、歯科におけるレントゲン検査で受ける被ばく量は、非常に少ないものです。人体に影響が及ぶ被ばく量は100シーベルト以上といわれているため、自然被ばく量に加えてレントゲン撮影を行ったとしても、数値としては人体に影響を及ぼすようなことはほぼありません。さらに、レントゲンを撮影するときに歯放射線用の防護エプロンをつけて撮影を行うことがほとんどです。このエプロンをつけることで、レントゲン検査によって受ける被ばく量は限りなくゼロに近くなります。
まとめ
今回は、各レントゲン検査の被ばく量についてご紹介しました。インプラントの治療を始める前には、適切な
検査を行うことが正しい診断、治療の成功に繋がります。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
インプラント治療でも行われる「デンタルレントゲン検査」とは
2024/04/05
今回は、インプラント治療の中で行われることも多い「デンタルレントゲン検査」についてご紹介します。インプラント治療は、顎の骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋入し、その上から上部構造(人工歯)を被せる手術です。外から見ただけの情報だけでは手術やメンテナンスに必要な情報が十分に得られないため、「デンタルレントゲン」と呼ばれる部分的なレントゲンを撮影することもあります。
デンタルレントゲンとは?
デンタルレントゲン検査は、歯2~3本分程度を部分的に映し出すレントゲン検査です。お口の中に約3cm×約4cmの大きさのフィルムを入れ、外から筒のような機器を当てて撮影します。撮影にかかる時間はわずか数秒です。
特定の歯の状態を精査するために撮影されることがほとんどで、インプラント治療やメンテナンスにおいては人工歯根や顎の骨の状態を確認するために撮影が行われます。また、インプラント治療前の検査においても、通常のパノラマレントゲン検査のほかに歯列をブロックごとに分けてそれぞれにデンタルレントゲンを撮影する「10枚法」もしくは「14枚法」、「18枚法」という撮影方法がとられることもあります。
インプラント治療以外で用いられる場面
デンタルレントゲンは、インプラントの治療やメンテナンス以外にも一般的な歯科治療で用いられることがあります。
・むし歯の有無、状態
歯と歯の間にできたむし歯や、詰め物や被せ物の下にできたむし歯はパノラマレントゲンでは分かりにくいときがあります。そのような場合にデンタルレントゲンで詳細な状態を確認します。
・歯の根の状態
根管治療の前に歯の根の状態を確認したり、根管治療後に詰め物がしっかり入っているかの確認を行うことがあります。
・顎の骨の状態
インプラント治療だけでなく、歯周病の治療においても歯を支えている骨(歯槽骨)の量を調べることは大切です。歯槽骨がどの程度吸収されているかということもデンタルレントゲンから把握できます。
まとめ
インプラントの治療を成功に導くためには、目的に合わせた適切な検査を行うことが大切です。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
インプラント治療の術前検査では何をする?
2024/03/29
今回は、インプラント治療を始める前の術前検査についてご紹介します。
インプラント治療は、顎の骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋入し、その上から上部構造(人工歯)を被せる手術です。外から見ただけの情報や二次元のレントゲン写真だけでは手術に必要な情報が十分に得られないため、いかに精密に検査を行うかが非常に重要となってきます。
インプラントの術前検査では何をする?
インプラント治療を成功に導くためには、入念な検査がなによりも大切です。主に以下のような検査を行います。
・パノラマレントゲン検査
目の下から顎までの広い範囲を映し出すレントゲンです。歯や骨に加え薬剤や金属などの人工物は白く映り、粘膜や筋肉などの軟組織は黒く映ります。一般的な歯科治療にもこの検査は用いられ、インプラント治療において特に重要な顎の骨の状態もおおまかに確認できます。
・口腔内検査
インプラント治療をする箇所はもちろんのこと、お口の中全体の検査も行います。全体の噛み合わせや歯ぐきの状態などを確認します。
・歯科用CT検査
パノラマレントゲン検査では、2次元的な平面での診断しかできないため、得られる情報量が限られます。そのため、インプラント治療を行う前には歯科用CTでの検査が非常に重要です。歯科用CTでは3次元の立体的な画像を取得できるため、骨の密度や厚み、幅など多くの情報が得られます。CTと聞くと身構えてしまう方もいらっしゃるかもしれませんが、歯科用のCTは座ったままで撮影ができ、撮影にかかる時間も医科用のCTに比べると短く済みます。被ばく量も医科用CTの3分の1程度なのでご安心ください。
当院で導入している歯科用CT
当院では世界最高峰の歯科用CTである「Fine Cube E2」を導入しています。歯科用CTそのものも最先端の医療機器であるため導入している歯科医院は国内でも2割ほどにとどまりますが、その中でもより性能の高いCTです。0.1mm単位の精度で3D画像を得られるので、ご自身の骨の状態が手に取るように分かります。
まとめ
インプラントの治療を始める前には、入念に検査を行うことが正しい診断、治療の成功に繋がります。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
インプラント治療に使われるメタルボンドの特徴
2024/03/22
今回は、インプラント治療に使われるメタルボンドの特徴についてご紹介します。
インプラントの治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上から歯冠の部分となる人工歯を被せます。この人工歯は白い材料で作られることがほとんどですが、いくつか種類がありそれぞれ特徴や値段が異なります。その選択肢の一つに「メタルボンド」があります。
メタルボンドとは
メタルボンドとは、金属で作製した歯の冠にセラミックを焼き付けたものです。セラミックの被せ物の中でも歴史がある作製方法で、インプラント以外にも、むし歯の治療で作製されるインレーやクラウン、ブリッジなどに使われることもあります。
メタルボンドのメリット
・強度が非常に高い
オールセラミックやジルコニアに比べても、非常に高い強度を持っていることが最大の特徴です。奥歯で硬いものを噛んだり日常的に歯ぎしりや食いしばりをしていると、セラミックのみで作られた冠は割れてしまうことがあります。しかし、メタルボンドであれば金属とほぼ同じと言えるほどの耐久性が期待できるでしょう。
・オールセラミックより安価
メタルボンドで作製する場合、オールセラミックよりも価格を抑えて作製できます。
・保険適用で作られるものよりも見た目や耐久性に優れている
メタルボンド表面はセラミックなので、見た目の白さや透明感にも優れています。また、時間の経過とともに変色することも少ないため、保険適用で作られるものよりも優れた耐久性をもっています。
メタルボンドのデメリット
メタルボンドは金属を使用しているので、その種類によっては金属アレルギーを起こす可能性はあります。また見た目は白い歯にはなりますが、どうしても内側の金属を透過するためオールセラミックのような透過性はありません。さらに、一般的なメタルボンドは経年変化によって歯と歯ぐきの境目から金属のラインが黒く見えることもあります。
まとめ
今回は、インプラント治療に使われるメタルボンドについてご紹介しました。当院ではご予算やご希望に合わせてお選びいただけますので、歯の美しさを保ちつつ機能を回復させましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
インプラント治療に使われるジルコニアの特徴
2024/03/15
今回は、インプラント治療に使われるジルコニアの特徴についてご紹介します。
インプラントの治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込み、その上から歯冠の部分となる人工歯を被せます。この人工歯は白い材料で作られることがほとんどですが、いくつか種類がありそれぞれ特徴や値段が異なります。その選択肢の一つに「フルジルコニアクラウン」があります。
ジルコニアとは
ジルコニアはセラミックの一種で、人工ダイヤモンドとも呼ばれるものです。歯科治療のみならず、人工関節やスペースシャトルの素材にも使われています。見た目の美しさだけでなく強度も高いことが特徴で、日本では2005年から薬事法の認可を受け歯科治療に使われ始めました。インプラント以外にも、むし歯の治療で作製されるインレーやクラウン、ブリッジなどに使われることもあります。
ジルコニアの特徴
ジルコニアの特徴として以下のようなことが挙げられます。
・自然で美しい見た目
オールセラミックに比べると色の種類が限定されることもありますが、細かく色調を調整することで天然歯のようなツヤ感や透明度を叶えることができます。
・オールセラミックより安価
ジルコニアで作製する場合、オールセラミックよりも価格を抑えて作製できます。
・生体親和性が高い
ジルコニアもセラミック同様に生体親和性が高い材料です。金属アレルギーの心配もほとんどありません。
・優れた耐久性
お口の中の状態やメンテナンスにもよりますが、ジルコニアは10年程度もしくはそれ以上もつとも言われており、非常に優れた耐久性をもっています。特に、歯ぎしりや食いしばりの習慣がある方にはジルコニアがおすすめです。オールセラミックの人工歯に比べて、被せ物が破損するリスクが低いといえるでしょう。
まとめ
今回は、インプラント治療に使われるジルコニアについてご紹介しました。当院ではオールセラミック、ジルコニア、イーマックスなどの取り扱いがございます。ご予算やご希望に合わせてお選びいただけますので、歯の美しさを保ちつつ機能を回復させましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。