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口腔機能低下症とオーラルフレイルの違い

「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方には5つの項目が掲げられており、その中の一つに「患者様への教育」があります。その代表例でもある口腔衛生指導(OHI)は歯科医院において欠かせない役割を果たしており、単に歯を磨く方法を教えるだけでなく、患者様の全身の健康に直結する重要なプロセスです。今回は、口腔機能低下症とオーラルフレイルそれぞれの特徴や違いについてご紹介します。

 

口腔機能低下症とは

口腔機能低下症とオーラルフレイルは、高齢化社会において重要な口腔ケアの課題です。どちらも口腔機能の衰えが原因となる問題ですが、異なる概念を持っています。

口腔機能低下症とは、口腔内の筋力や感覚が低下し、食べる、飲む、話すなどの日常的な機能がうまくいかなくなる状態を指します。例えば、食べ物をうまく噛めない、飲み込みにくい、発音が不明瞭になるなどの症状が現れることがあります。

この状態が続くと、栄養摂取が難しくなるため、体全体の健康に悪影響を及ぼす恐れがあります。診断基準としては、噛む力や飲み込み能力、唾液分泌量の低下など、複数の要素に基づいて総合的に判断されます。口腔機能低下症は進行すると自力での食事が困難になる場合があり、早期の診断とケアが重要です。

 

オーラルフレイルとは

オーラルフレイルとは、口腔機能の低下がさらに進行し、日常生活への支障が大きくなり始めた段階を指します。具体的には、かたい食べ物が噛めない、飲み込みが難しくなるといった口腔機能低下症の症状がさらに悪化し、社会的な交流や生活の質が低下する状態です。

オーラルフレイルが進行すると、食事が楽しめなくなり、食べ物の種類が偏ることによって栄養不足が生じます。また、会話を避けるようになると社会的な孤立感が強まるため、精神面での影響も大きくなります。このため、オーラルフレイルは全身的なフレイル(虚弱)の前兆ともされ、健康寿命の短縮に関わる問題としても注目されています。

 

口腔機能低下症とオーラルフレイルの違い

両者の違いは、口腔機能低下の進行度合いと、それが及ぼす影響にあります。口腔機能低下症は主に噛む力や飲み込む力などの機能の低下を指すのに対し、オーラルフレイルはその状態が進み、社会生活や精神的な面にまで悪影響を及ぼしている状態です。

簡単に言えば、口腔機能低下症は「口腔機能の衰えに関する初期段階」、オーラルフレイルは「口腔機能低下が全身に影響を及ぼし始めた段階」といえます。したがって、口腔機能低下症の段階で早期に発見し、改善することがオーラルフレイルの予防につながります。

 

まとめ

口腔機能が低下し始めた段階で対策を講じることで、オーラルフレイルや全身のフレイルの進行を抑えることが可能です。歯科医院でのサポートも活用しながら、健康で豊かな生活を送りましょう。

Category - MIミニマムインターベーション

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