インプラントの上部構造 材質による違い
2023/04/28
今回は、インプラントの上部構造でよく使用されるセラミック、ジルコニア、ハイブリッドセラミックについてご紹介します。インプラント治療において、上部構造は歯冠の役割をする人工歯ですが、材質の違いにより仕上がりも変わってきます。
セラミックの特徴
インプラントの上部構造としてよく使用されるのがセラミックです。天然歯に限りなく近い透明感と白さで、高い審美性を持つことが大きな特徴です。耐久性にも優れ、経年劣化や変色もほとんどありません。表面が滑沢なのでプラークもつきにくく、これはインプラント周囲炎を予防するという観点においても非常に重要なポイントとなります。ただし、稀にセラミックが割れたり欠けたりするケースもみられます。
ジルコニアの特徴
ジルコニアはセラミックの一種で、人工ダイヤモンドともいわれています。圧倒的な強度が最大の特徴で、その強度はセラミックの5倍にも及びます。透明感のある色調で審美性も高く、近年特に注目されている材質です。ジルコニアも劣化が少なく、長期間において安定した状態を保つことが可能です。セラミック同様に表面が滑沢なためプラークがつきにくく、毎日のセルフケアもしやすくなります。また、金属アレルギーの原因になることもないため、安心してご使用いただけます。
当院では、破折のリスクなども考慮し、インプラントの上部構造は全てジルコニアで作製しています。
メタルボンドの特徴
一部のケースで、奥歯など特に強い力がかかる場所のインプラントには金属も使用しているメタルボンドを使用する場合もあります。メタルボンドとは、歯冠部の内側に金属を使用し、外側から見える表面の部分にはセラミックを使用しているものです。インプラント以外にも、差し歯などで同様の作製方法が用いられることもあります。セラミックやジルコニアに比べると裏に金属がある分透明感には劣りますが、強度は高くなります。
まとめ
インプラントの上部構造は、材質の選び方によりその後のセルフケアやメンテナンスの質にも影響を及ぼす可能性のある重要な選択となります。当院では審美性・機能性・耐久性に最も優れたジルコニアを使用しておりますので、ぜひ安心して治療をお受けいただければと思います。
歯のホワイトニングとクリーニングは別のもの?
2023/04/26
歯のホワイトニングとクリーニングは別のものである、ということをご存知でしょうか?
今回は、ホワイトニングとクリーニングの違いや、ホワイトエッセンスならではのクリーニングについてご紹介します。
ホワイトニングとクリーニングの違い
歯のホワイトニングは、エナメル質にある色素のもととなる有機成分を薬剤により分解し、無色あるいは目立ちにくい色に変えるものです。それにより、本来の歯よりも白くすることができます。ただし、着色や歯石などの汚れを落とすものではありません。
一方クリーニングは、歯の表面についた着色汚れやプラーク、歯石などを機械的に除去することです。汚れを落とすことはできても、歯の本来の色以上に白くすることはできません。クリーニングでは、汚れを除去した後、歯に汚れがつきにくくなるように歯の表面を研磨するPMTCという処置を行います。PMTCはProfessional Mechanical Tooth Cleaningの略で、専用の機器と研磨剤を使用して、通常の歯磨きでは落とせない歯石やプラークの除去の歯面の研磨を全ての歯に対して行います。これにより、むし歯や歯周病になりにくいようお口の中の環境を整えます。
歯のクリーニングをするメリット
まず一つは、歯の表面についた着色汚れを落とすことで見た目にも分かりやすくきれいになります。ホワイトニングの施術前にクリーニングをしておくことで、ホワイトニングの効果がより一層感じられるようになるでしょう。
もう一つは、プラークなどの汚れを落とすことでむし歯や歯周病、口臭を予防できます。お口の中を健康に保ってこそ、ホワイトニングで得られた効果が際立つのです。
ホワイトエッセンスでのクリーニングの特徴
ホワイトエッセンスでのクリーニングは、一般的な保険診療でのクリーニングとは異なります。時間をかけて歯を1本ずつ丁寧に汚れを落とし、全ての歯を1回の施術でクリーニングすることができます。さらに、保険診療のクリーニングでは落としきることのできないバイオフィルムもしっかり除去することができます。バイオフィルムは食べかすや磨き残しに細菌が繁殖して膜を形成したもので、歯周病の根本的な原因であるといわれています。バイオフィルムは粘着性が高いため簡単に落とすことはできませんが、歯科医院での専門的なクリーニングだからこそ確実に除去できるのです。
まとめ
このように、ホワイトニングとクリーニングは別の処置です。ホワイトニングの前に専門的なクリーニングを受けて、ホワイトニングの効果を最大限引き出しましょう。
インプラント治療におけるマイクロスコープの活用
2023/04/21
今回は、当院のインプラント治療におけるマイクロスコープの活用についてご紹介していきます。近年、マイクロスコープ(歯科用顕微鏡)の需要は急速に拡大しており、治療の精度を上げるためには不可欠な存在となっています。当院においてもいち早くマイクロスコープを導入し、より安全で精密な治療を患者様にご提供しております。
マイクロスコープとは
マイクロスコープとはデジタル顕微鏡のことで、歯科領域のみならず、形成外科や眼科、脳神経外科など様々な医療分野にて活用されている最新の医療機器です。歯科で使用されているマイクロスコープは3倍から最大20倍まで拡大でき、肉眼に比べ精度の高い治療が可能となります。当院では、業界最高レベルであるカールツァイス社の最新マイクロスコープを導入しております。照明機能がついているため処置を行う歯科医師とほぼ同じ角度から光を照射することができ、影ができないため歯の内部や細かな箇所まではっきりと見ることができます。
マイクロスコープはなぜ必要?
歯科領域においてもインプラントのみならず、根管治療や補綴治療などその用途は様々です。歯科治療においては、ミクロン単位での精確さが求められるため、マイクロスコープが登場する前は歯科医師による経験や勘に頼っていた治療もありました。しかし、マイクロスコープにより「見える」ようになったため、これまでには不可能だった高度なレベルの治療を行うことができるようになったのです。
インプラント治療におけるマイクロスコープの活用
インプラント治療では、上部構造(被せ物)の見た目を可能な限り天然歯に近づけること、そして人工歯根と歯周組織を調和させ理想的な歯ぐきの形態を作ることがとても重要です。インプラントの見た目を限りなく天然歯に近づけるためには、インプラントそのもののみならず、それを支える歯ぐきのバランスを良くすることで自然な美しさを得ることができます。そして、これらの形態を整えることは、清掃性の向上にも繋がります。セルフケアのしやすい状態にできれば、毎日の歯磨きもぐっと楽になり、メンテナンスが苦になることもありません。
まとめ
このように、マイクロスコープを用いてインプラント治療を行うことにより、肉眼での処置よりもずっと精確な治療が可能となります。審美的な仕上がりや清掃性が向上することからも、マイクロスコープを使用することには患者様にとっても大きなメリットとなるのです。マイクロスコープを用いたインプラント治療にご興味のある方は、ぜひお気軽に当院までご相談ください。
被せ物や詰め物がある場合のホワイトニング
2023/04/19
今回は、被せ物や詰め物がある場合のホワイトニングについてお話ししていきます。
ホワイトニングはエナメル質に対して薬剤を効かせるため、被せ物や詰め物などの人工物が白くなることはありません。そのような場合にも、ホワイトニングができる方法があります。
詰め物が入っている場合
小さなむし歯などには、むし歯を削った後にプラスチックの材料を詰める治療を行います。このような詰め物が入っている場合は、ホワイトニングを行ったあとの歯の色に合わせて詰め物を詰め替えることで対処可能です。詰め物の材料にも、もとの歯の色に合わせられるように色のバリエーションがあります。そのため、白くなった歯の色に合わせて詰め物の色も変えることで、自然で目立ちにくい仕上がりにすることができます。
被せ物が入っている場合
むし歯が比較的大きく、歯を削る量が多い場合には詰め物では対処しきれません。歯の強度を補うために完全に歯を覆うような補綴物を、被せ物(クラウン)といいます。被せ物の材料は様々で、詰め物と同じような保険適用の金属、プラスチックもあれば、自費診療のオールセラミック、ジルコニアなどもあります。このような被せ物が入っている場合にも、ホワイトニングを行ったあとの歯の色に合わせて被せ物を新しくすることで、隣り合う歯の色に差が出ないように仕上げることができます。新たに被せ物を作るときには、オールセラミックのような透明感のある材料がおすすめです。オールセラミックは天然歯に限りなく近い白さ、透明感、自然なツヤが特徴で、長年使用しても変色しにくい素材です。金属アレルギーの心配もなく、生体親和性が高いため安心してお使いいただけます。
まとめ
このように、被せ物や詰め物自体の色をホワイトニング剤で白くすることはできませんが、必要な処置を追加することでホワイトニングを行うことは可能です。当院では、オールセラミックをはじめとする様々な材料の被せ物治療にも対応しておりますので、安心して治療を進めていただけます。
ホワイトニング治療にご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。
インプラント治療に欠かせない歯科用CT
2023/04/14
今回は、インプラント治療に欠かせない歯科用CTについてご紹介します。
インプラント治療は、顎の骨の中にインプラント体(人工歯根)を埋入し、その上から上部構造(人工歯)を被せる手術です。そのため、外から見ただけの情報や二次元のレントゲン写真だけでは手術に必要な情報が十分に得られません。そこで重要となるのが、歯科用CTで得られる三次元情報です。
歯科用CTとは
CTとは、コンピューター断層撮影(Computed Tomography)の略称です。放射線などを利用して物体の断面像を三次元的に描写する検査で、歯科領域に特化したものを歯科用CTといいます。CTと聞いてよくイメージされるのは横たわって撮影する医科用CTかもしれませんが、歯科用CTは座位で10~20秒ほどの撮影で必要な情報が全て得られます。
歯科用CTの被ばく量
歯科で撮影するレントゲンや歯科用CTの被ばく量は、パノラマエックス線で0.03mSv、口内法エックス線(デンタル)で0.01mSv、歯科用CTで0.1mSvです。一般的な年間線量限度として定められている1mSvと比較してもこの数値は非常に少なく、安心して検査をお受けいただけます。レントゲンや歯科用CT撮影による僅かな被ばく量よりも、治療を成功に導くための情報を得られることのメリットのほうが遥かに上回るのです。
歯科用CTから得られる情報とは
歯科用CTでは歯や骨の三次元的な状態を撮影するため、二次元的なレントゲンでは分からない上顎洞の位置関係、骨の厚みや奥行き、神経の位置を細部まで確認することができます。インプラントの手術では、神経損傷、上顎洞炎、上顎洞内異物迷入、異常出血などのリスクがありますが、CT撮影で得た情報もとに精密な手術計画を立てることで、これらをできるだけ防ぎます。
歯科用CTは最先端の医療機器であるため、導入している歯科医院はまだ2割程度といわれています。みなさまに安全で精確な治療をお受けいただくために、当院では歯科用CTをいち早く導入しております。インプラント治療にご興味のある方は、お気軽に当院までご相談ください。