タンパク質と歯の関係
2024/11/20
「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方には5つの項目が掲げられており、その中の一つに「患者様への教育」があります。その代表例でもある口腔衛生指導(OHI)は歯科医院において欠かせない役割を果たしており、単に歯を磨く方法を教えるだけでなく、患者様の全身の健康に直結する重要なプロセスです。今回は、タンパク質と歯の関係やタンパク質を効率よく摂取する方法についてご紹介します。
タンパク質と歯の関係
タンパク質は私たちの体を構成する細胞の基盤であり、歯や歯ぐき、そして顎の骨にも重要な役割を果たします。歯の表面を保護するエナメル質の下には、象牙質と呼ばれる組織があり、この象牙質は主にコラーゲンというタンパク質でできています。コラーゲンがしっかりと生成されることで歯の内部構造が強化され、歯全体が丈夫になります。
また、タンパク質は歯ぐきや顎の骨の健康維持にも欠かせません。歯ぐきが健康であることは歯を支えるために大切ですし、顎の骨がしっかりしていることで歯が安定し、噛む力を支えることができます。歯周病などが進行すると歯ぐきや顎の骨が弱くなり歯がグラグラする原因にもなりますが、タンパク質をしっかり摂ることでこれらの組織を維持しやすくなります。
タンパク質を効率よく摂取する方法
歯を含めた体の健康に大切なタンパク質を効率よく摂取するためには、次のようなポイントに気をつけましょう。
・良質なタンパク質を含む食品を選ぶ
良質なタンパク質を含む食品には、肉類や魚、卵、乳製品、大豆製品などがあります。特に、魚や大豆製品はタンパク質が豊富なだけでなく、カルシウムやビタミンDも含まれているため、歯の健康にとって理想的です。
・1日3食バランスよく取り入れる
タンパク質は、1度にまとめて摂るよりも1日3回に分けて摂取するほうが体に吸収されやすいとされています。例えば、朝食に卵料理、昼食に魚や肉料理、夕食に豆腐や納豆などの大豆製品を取り入れるなど、1日の食事にバランスよくタンパク質源を組み合わせるのがおすすめです。
・ビタミンCを合わせて摂る
タンパク質が歯や骨の構造を支える「コラーゲン」を生成するためには、ビタミンCが必要です。ビタミンCが豊富な野菜や果物(ブロッコリー、ピーマン、キウイ、いちごなど)と一緒にタンパク質を摂取することで、歯の健康をさらにサポートできます。
まとめ
タンパク質は歯や歯ぐき、顎の骨を支えるために欠かせない重要な栄養素です。毎日の食事からしっかりタンパク質を取り入れ、強くて健康な歯を維持しましょう。
Category - MIミニマムインターベーション