知っておきたいインプラントとブリッジ、入れ歯の違い
2023/03/17
むし歯や歯周病、外傷など、歯を失う原因は様々ですが、歯を失ったあとは補う治療をしないと、様々な影響が出てきます。歯がない箇所を放置することにより、歯並びが変わり噛み合わせのバランスも崩れ、むし歯や歯周病になりやすいお口の環境になってしまうなど大きな悪影響を与えてしまいます。更には、肩こりや頭痛、姿勢のゆがみなど全身の健康にもつながることです。
したがって、歯を失った場合は必ずその場所を補う治療が必要です。今回は、歯を補う治療であるインプラントとブリッジ、入れ歯の違いについてご紹介します。
入れ歯(部分入れ歯/総入れ歯)
入れ歯は着脱可能な人工歯です。基本的には保険適用が可能で、手術も不要で治療期間も比較的短く済みます。一方、部分入れ歯の場合はばねをかける歯への負担が大きく、また噛む力も天然歯の3~4割ほどいわれています。総入れ歯の場合は噛む力が天然歯の1~2割程度まで落ちるともいわれています。
ブリッジ
失った歯の両隣の歯を支えとして、連続した歯を接着する方法です。固定されるため違和感も比較的少なく、噛む力も天然歯の6割ほどといわれています。支えとなる健康な歯を大きく削る必要があり、また支えとして負担がかかることから歯の寿命を縮めてしまう可能性もあります。歯がない箇所の人工歯と歯ぐきの隙間の清掃がやや難しく、しっかり清掃ができていないと支える歯のむし歯や歯周病のリスクが高まります。基本的には保険適用が可能です。
インプラント
顎の骨に人工歯根を埋め込み、その鵺から人工歯を被せる治療方法です。安定性、審美性、耐久性、噛む力全てに優れています。天然歯と同じような見た目で、同じような力でしっかりと噛むことができます。外科手術が必要となるため、治療期間は個人差がありますが概ね3ヶ月~1年程度です。保険適用外の治療となります。
まとめ
以上のように、歯を失った場合の治療方法にはそれぞれ特徴があります。これらを理解した上で担当医とよく相談し、治療方針を決めていきましょう。
当院ではインプラントにも力を入れており、豊富な知識と経験で治療にあたっています。インプラントにご興味のある方は、ぜひ当院までお気軽にご相談ください。
そもそもなぜ歯が白くなる?ホワイトニングのメカニズムを解説
2023/03/15
ホワイトニングは、歯の表面の着色を落とすだけでなく歯そのものを白くする治療方法です。では、そもそもなぜ歯が白くなるのでしょうか?
今回は、ホワイトニングのメカニズムについてご紹介します。
歯の色はなぜ白く見える?
歯は表面からエナメル質、象牙質、歯髄でできています。ホワイトニングは、この中のエナメル質の色調を改善する治療方法です。エナメル質の97%はハイドロキシアパタイト(リン酸カルシウムの結晶)からできていますが、残り3%は色素の原因となる有機成分です。エナメル質そのものは半透明で、その下の乳白色の象牙質が透けて見えることで、歯は白く見えます。
原理1 フリーラジカル
ホワイトニング治療では、エナメル質の有機成分を分解することで、無色あるいは目立たない色にし、色調を目立たなくします。ホワイトニングで使用する薬剤である過酸化水素や過酸化尿素は、光を照射したり、熱を加えたり、pHを調整したりすると化学反応を起こしフリーラジカル(活性酸素)を発生します。このフリーラジカルが歯のエナメル質の色素と結びつき、色素を分解して無色透明にするのです。歯の色調は明るくなりますが、歯そのものの構造が変わるわけではありません。また、その下の象牙質まで白くすることはできません。
オフィスホワイトニングで使用する過酸化水素は素早く分解されますが、ホームホワイトニングで使用する過酸化尿素は8時間ほどかけてゆっくりと過酸化水素と尿素に分解されます。そのため、連続して長時間(8時間程度)使用できる就寝中に薬剤を使用することで、効果を最大限引き出すことができます。
原理2 マスキング効果
歯のエナメル質は、「エナメル小柱」とよばれる柱状構造からできています。エナメル小柱の数は歯により異なりますが、おおよそ800万〜1200万本あるといわれています。この柱状構造は角状になっているため光を透過しやすく、そのため、エナメル質の下の象牙質の色が透けてみえるのです。ホワイトニング剤の作用により、角状だったエナメル質の表面を球状に丸くし、それにより光を乱反射させ象牙質の色を透けにくくすることができます。
今回は、なぜホワイトニングのメカニズムについてご紹介しました。メカニズムを知っておくと安心ですね。ホワイトニング治療にご興味のある方は、お気軽に当院までお問い合わせください。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉はどう選ぶ?
2023/02/27
毎日の歯磨きでも、ホワイトニング効果のある歯磨き粉を使いたいと思う方も多くいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、ホワイトニング効果のある歯磨き粉の選び方や、注目したい成分についてお話ししていきます。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉の目的
市販の歯磨き粉でホワイトニングの効果を謳うものは数多くありますが、共通することは生まれもった歯の色以上に白くすることは難しい、ということです。あくまで歯の表面の汚れを落とすために使用するもので、より白い歯を目指すためにはホワイトニング治療が必要となります。したがって、あくまで補助的なものとして歯磨き粉を使用しましょう。
ホワイトニング効果のある歯磨き粉の選び方
・低研磨もしくは研磨剤不使用の歯磨き粉を選ぶ
歯磨き粉を選ぶとき、研磨剤が入っているほうが歯が白くなりそうな気がするかもしれません。しかし、研磨剤の粒子が大きすぎると、かえって歯のエナメル質を傷つけてしまう可能性があります。したがって、市販のホワイトニング歯磨き粉を選ぶときには、低研磨もしくは研磨剤不使用と表示のあるものを選ぶとよいでしょう。
・ホワイトニング治療中はフッ素に要注意
むし歯を予防する観点から、フッ素が配合されている歯磨き粉を選ばれる方も多いかと思います。しかし、ホワイトニング治療をしている間に使用するものとしては、フッ素配合の歯磨き粉はあまりおすすめできません。フッ素で歯の表面がコーティングされることにより、ホワイトニングで使用する過酸化水素という成分が浸透しにくくなる可能性があるからです。フッ素配合の歯磨き粉は、歯科医院でのホワイトニング治療が終わってから使うようにしましょう。
今回は、ホワイトニング効果のある歯磨き粉の選び方についてご紹介しました。毎日のセルフケアに取り入れてみてはいかがでしょうか?
当院でも、おすすめのホワイトニング歯磨き粉を販売しておりますので、ご興味のある方はぜひスタッフまでお声がけください。
インプラント手術後に気をつけること
2023/02/24
インプラントの手術では、顎の骨を削り、そこにインプラント体を埋め込みます。
手術のあとには、どのようなことに気をつけて過ごしたらよいか、ご紹介していきます。
【手術直後】
インプラントの手術では、一般的に静脈内鎮静法とよばれる麻酔と、局部麻酔の2種類を併用します。術中や手術直後はまだ麻酔がきいているためお痛みを感じることはほとんどありません。しかし口元の感覚がないぶん、食事をすることで唇や頬の粘膜を噛んでしまったり、熱いものでやけどをしてしまう可能性もあります。麻酔がきれるまでは、可能な範囲でお食事は控えていただいたほうがよいでしょう。
また、麻酔がきれてからはお痛みが強くなることもあります。手術後は抗生剤と痛み止めが処方されますので、痛み止めはお痛みがあるときに、抗生剤は処方された日数分飲みきるようにしましょう。
【~1週間後】
手術当日、麻酔がきれてからのお食事は歯や顎に負担がかからないよう、柔らかいものを選びましょう。また、一口量を少しにしたり、手術部位とは反対側で噛むなど、食べ方にも工夫をするとよいでしょう。
手術当日~3日程度は、長湯や熱いお風呂は避けましょう。血行がよくなることで、再び出血したりお痛みが強くなる可能性があります。同様に、術後1週間程度は激しい運動も控えてください。
また、飲酒や喫煙も術後1週間は厳禁です。アルコールは血液の循環をよくするため出血やお痛みの原因になり、一方喫煙は血液の循環が悪くなり傷の治りも遅くなります。
【1週間後~抜糸まで】
手術から1週間ほど経つと、お痛みや腫れも概ねおさまってくるかと思います。ただし、お痛みがなくなったからといって傷口を触ったり歯ブラシで普段通りに磨いてしまうと、傷口が開いてしまったり再出血するおそれもあります。したがって、傷口を刺激することなく、清潔に保つことが大切です。抜糸するまでの期間は、専用のうがい薬が処方されることもあるので、軽くすすぐ程度に活用するとよいでしょう。お口の中全体に汚れや細菌が残っていることは手術部位の治りが遅くなることにもつながるため、手術部位以外は毛の硬さがやわらかい歯ブラシで丁寧に磨いてケアをしましょう。
今回は、インプラント手術後の生活で気をつけることについてご紹介しました。術後は安静に過ごし、少しでも気になることがあれば担当医の指示を仰ぎましょう。
インプラントの治療期間
2023/02/17
インプラント治療を受けてみたいと思っても、どのくらいの期間がかかるかが分かりづらく、一歩踏み出せないという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
インプラント治療とは、失われた歯のかわりに人工歯根を顎の骨に埋め込む治療です。全体の治療期間には個人差がありますが、平均すると3ヶ月から12ヶ月といわれています。外科的な手術を伴うほか、人工歯根が顎の骨に定着するための時間もかかるため、トータルの治療期間は自ずと長くなるのです。
今回は、インプラント治療のそれぞれの過程でかかる治療期間をご紹介いたします。
【精密検査と治療計画の立案】
カウンセリングで患者様のご希望をお伺いした後、様々な検査を行い歯ぐきや顎の状態を入念に調べます。レントゲンやCT撮影などを行うため、2~3回の通院が必要となるケースが多く、検査から診断、手術のご説明なども含めると平均して2週間ほどかかります。
歯周病など事前の治療が必要となった場合は、この限りではありません。
【人工歯根埋入手術】
インプラントの手術には1回法と2回法がありますが、現状では2回法が標準的な術式です。今回は2回法の場合をご紹介します。
1回目の手術では人工歯根を埋め込みます。人工歯根と顎の根が結合するまで、3~6ヶ月の定着期間が必要です。顎の骨の状態などにより個人差はありますが、下顎であれば約3ヶ月、上顎であれば約6ヶ月の期間を要するといわれています。その後、アバットメント(人工歯根と上部構造を接合するための部品)を装着するために2回目の手術を行います。手術自体は、それぞれ1~2日で終わることがほとんどです。
【上部構造のセット】
人工歯根が顎の骨にしっかりと定着したことを確認出来たら、型どりを行い、1~2週間かけて上部構造(人工歯)を作製します。上部構造ができあがったら、アバットメントと連結させ、嚙み合わせを調整します。セットは通常1日で完了します。
治療にかかる期間は上記のようになりますが、インプラントは治療後のメンテナンスがとても重要です。入れたら終わり、ではなく日々のメンテナンスに気を配り、定期検診を受けましょう。
インプラントの治療期間についてご不明点がございましたら、お気軽に当院までご相談ください。