インプラント治療における局所麻酔
2023/08/11
今回は、インプラント治療における局所麻酔についてご紹介します。
インプラントの外科手術では、顎の骨に直接インプラント体(人工歯根)を埋め込みます。その際、痛みを軽減するために麻酔が使われますが、局所麻酔のみで行われる場合と、局所麻酔と静脈内鎮静法を併用して行われる場合があります。
局所麻酔とは
局所麻酔とは、患部周囲にのみ麻酔の薬液を浸透させ、一時的にその箇所の痛みを軽減する麻酔方法です。インプラント治療だけでなく、むし歯治療や親知らずの抜歯、歯周ポケットの深い部分の歯石除去などの際にも局所麻酔は用いられます。局所麻酔は、さらに3つの方法に分類されます。
・表面麻酔
麻酔の薬剤を歯ぐきの表面に塗り、表面の感覚を麻痺させます。このあとご紹介する湿潤麻酔や伝達麻酔では注射針を歯ぐきに刺すため、この注射針の痛みを軽減するために表面麻酔を行います。
・湿潤麻酔
麻酔の薬液を注射で歯ぐきから入れ、骨にまで浸透させます。一般的に歯科医院で行う麻酔としてイメージされるのはこの湿潤麻酔の方法です。
・伝達麻酔
麻酔が効きにくい場所や、湿潤麻酔よりも広い範囲に麻酔を効かせたいときにはこの方法が選択されます。神経が下顎に向かう途中で麻酔の薬液を作用させることで、長時間広範囲に麻酔の効果を得ることができます。
局所麻酔をしたあとの注意点
治療が終わっても、しばらくは麻酔の効果が残ります。湿潤麻酔で2~3時間、伝達麻酔で4~6時間程度です。麻酔がまだ効いている状態で飲食をすると、熱いものでやけどをしたり、頬や舌を誤って噛んでしまうリスクがあります。治療後すぐの飲食はできるだけ控え、食事を再開するときも熱いものや刺激の強いもの、硬いものなどは避けましょう。また、全身の血流を促進するアルコールも極力控えていただくことが大切です。治療を終えたばかりの傷口が開いて、再び出血することのないようにしましょう。
まとめ
このように、インプラント治療の際には局所麻酔で痛みを軽減することができます。手術の際の痛みなどにご不安がある場合は、担当医まで遠慮なくお話ください。当院では、知識と経験の豊富な歯科医師やスタッフが治療を担当いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。