インプラント治療における静脈内鎮静法
2023/08/18
今回は、インプラント治療における静脈内鎮静法についてご紹介します。
インプラントの外科手術では、顎の骨に直接インプラント体(人工歯根)を埋め込みます。その際、痛みを軽減するために麻酔が使われますが、局所麻酔のみで行われる場合と、局所麻酔と静脈内鎮静法を併用して行われる場合があります。
静脈内鎮静法とは
静脈内鎮静法(セデーション)とは、緊張によるストレスや治療への不安、恐怖心をやわらげ、リラックスした状態で治療を受けていただくための麻酔法です。点滴で静脈内に鎮静剤を投与します。全身麻酔とは異なり、自発呼吸が可能で、完全に意識がなくなるわけではありません。中枢神経の働きが鈍くなり、うたた寝をしているような感覚になります。痛みそのものをやわらげる効果はないため静脈内鎮静法を単独で行うことはなく、必ず局所麻酔と併用します。
静脈内鎮静法を行うメリット
麻酔がきいている間はリラックスした状態で寝ているような感覚になるので、気づいたときには治療が終わっている、治療があっという間に感じられるといったメリットがあります。また、静脈内鎮静法には健忘効果(麻酔がきいている間のことを忘れられる)もあるといわれているため、治療中に起きたことや不安な気持ちが残らない方も多くいらっしゃいます。
静脈内鎮静法をしたあとの注意点
静脈内鎮静法を行う場合も、インプラントの手術は日帰りで行うことができます。術後は院内でしばらく安静にし、数時間休んでいただけばご帰宅が可能ですが、車の運転はお控えいただいております。稀にふらつきや眠気が残ることもあるので、帰宅後もご自宅で安静に過ごしましょう。
まとめ
このように、インプラント治療の際には静脈内鎮静法を併用することで治療への不安やストレスを軽減することができます。ただし、妊娠中の方や使用する薬剤にアレルギーのある方、禁忌にあたる疾患をお持ちの方には静脈内鎮静法を行えない場合もありますので、詳しくは担当医まで遠慮なくお話しください。当院では、知識と経験の豊富な歯科医師やスタッフが治療を担当いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。