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マスク生活でむし歯が増える?これからの時期に気をつけたい口呼吸との関係

「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方には5つの項目が掲げられており、その中の一つに「患者様への教育」があります。その代表例でもある口腔衛生指導(OHI)は歯科医院において欠かせない役割を果たしており、単に歯を磨く方法を教えるだけでなく、患者様の全身の健康に直結する重要なプロセスです。今回は、マスク生活とむし歯リスクの関係についてご紹介します。

 

口呼吸とお口の健康は関係がある?
季節が冬へと近づく11月〜2月は、風邪やインフルエンザの流行が増え、マスクを着ける時間が長くなる方が多い時期です。感染予防として大切なマスクですが、実は知らないうちにお口の健康へ影響を与えてしまうことがあります。その要因のひとつが、マスクによって起きやすくなる「口呼吸」です。

 

マスクで口呼吸が増える理由
普段の呼吸は鼻が基本ですが、マスクを長時間つけていると、息苦しさから無意識に口で呼吸する習慣がつきやすくなります。特に運動中や会話が続くと、口が自然と開いた状態になり、気付かぬうちに口呼吸がクセになってしまうこともあります。

 

口呼吸はなぜむし歯のリスクになる?
口呼吸になると、お口の中が乾燥しやすくなります。鼻呼吸は空気を加湿・加温してから肺に送るため、口腔内は乾燥しにくい状態に保たれます。しかし口呼吸の場合、乾いた空気が直接お口の中に流れ込み、唾液が蒸発しやすくなります。

唾液には、むし歯菌が作り出す酸を中和する働きや、洗い流す自浄作用があります。ところが乾燥によって唾液量が減ると、歯に歯垢(プラーク)がたまりやすくなり、むし歯菌が活発になるため、むし歯のリスクが高まってしまうのです。さらに乾燥は、歯ぐきの炎症や口臭にもつながることがあります。

 

口呼吸のサイン、気づいていますか?
「朝起きると口がネバネバする」「喉が乾きやすい」「気づくと口が開いている」といった気付きは、口呼吸の可能性があるサインです。マスクをしていると周囲から見えにくいこともあり、自分では気付きにくいケースもあります。

 

むし歯を防ぐためにできる対策
口呼吸を予防するうえで大切なのは、「意識すること」です。パソコン作業やスマートフォンを見るとき、口が半開きになっていないかチェックしてみましょう。また、舌先を上あごに軽く当てる姿勢を意識すると、鼻呼吸がしやすくなります。乾燥が気になる場合は水分補給をこまめに行うことも効果的です。唾液を増やすために、無糖のガムを噛む・キシリトール製品を利用するといった方法もあります。ただし砂糖入りのお菓子や飴は逆にむし歯リスクを高めてしまうため注意しましょう。

 

まとめ
冬はマスクだけでなく、暖房による空気の乾燥でお口の水分が失われやすい季節です。風邪対策と同じように、お口の健康も意識して過ごすことで、むし歯や歯周病のリスクを減らすことができます。
早めのチェックで、トラブルを未然に防ぎましょう。

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