ダイレクトボンディングを長持ちさせるためには
2024/06/28
今回は、ダイレクトボンディングを長持ちさせるためにできることについてご紹介します。ダイレクトボンディングは歯の形態を修復して隙間を埋めたり、むし歯により失われた歯質を修復する方法です。ある程度の耐久性はあるものの平均的な寿命は4~6年といわれており、長期的に使っているうちにツヤが減る、色が僅かに変わるなど経年的な変化は生じてきます。できるだけ良い状態を長く維持するためにできることを知っておきましょう。
ダイレクトボンディングを良い状態で維持するためには
当院ではハイブリッド樹脂を用いてダイレクトボンディングを行っているため、保険適用の歯科用プラスチックのみで治療をした場合に比べると、より長く良い状態を保てます。とはいえ、治療後のメンテナンスが十分にできていないと平均寿命を待たずして劣化してしまう可能性もあるのです。したがってダイレクトボンディングをできるだけ長く良い状態で維持するためには、ご自宅での毎日のセルフケアに加え、定期的に歯科医院でもメンテナンスを受けることが非常に大切になってきます。
自宅でのセルフケア
ご自宅でできるセルフケアで最も重要なことは、プラークを確実に除去することです。プラークはむし歯や歯周病の原因となるだけでなく、着色の原因となることもあります。歯ブラシで丁寧に磨くことはもちろん、適宜デンタルフロスや歯間ブラシ、ワンタフトブラシなどの補助清掃用具を活用し、効率よくプラークを落とせるようにしましょう。
歯科医院でのメンテナンス
歯科医院では、セルフケアでは除去しきれない細かな箇所のプラークも、専用の器機で確実に除去することができます。また、ダイレクトボンディングの劣化を促進する原因の一つに「接着剤の劣化」がありますが、定期的に歯科医院で状態確認をしておけば接着剤の劣化にもいち早く気がつくことができ、状態によっては最小限の修復で再治療ができるケースもあります(すべてのケースでこの方法が可能とは限りません)。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングを長持ちさせるためにできることについてご紹介しました。毎日のセルフケアと定期的な歯科医院でのメンテナンスで、ダイレクトボンディングを良い状態に保ちましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
ダイレクトボンディングとラミネートベニアの違い
2024/06/24
今回は、ダイレクトボンディングとラミネートベニアの違いについてご紹介します。ダイレクトボンディングは、ハイブリッド樹脂を用いて歯の形態を修復して隙間を埋めたり、むし歯により失われた歯質を修復する方法です。似ている治療方法に「ラミネートベニア」がありますが、これはどのような治療方法で、ダイレクトボンディングとは何が違うのでしょうか。
ラミネートベニアとは
歯の表面を0.5~1mmほど薄く削り、セラミックの薄い板を強力な接着剤で貼りつける治療方法を「ラミネートベニア」といいます。ネイルチップのようなイメージです。小さなむし歯の治療をするときの修復や、すきっ歯やごく軽度な歯列の凹凸の改善のために行われることもある治療方法です。ダイレクトボンディングと同様に比較的治療期間が短く、手軽に行える審美治療の一つでもあります。
ダイレクトボンディングとラミネートベニアの違い
ダイレクトボンディングとラミネートベニアでは治療の手順そのものが大きく異なりますが、そのほかにも以下のような違いがあります。
・劣化のしにくさ
ダイレクトボンディングでは、プラスチック素材にセラミック粒子を混ぜたハイブリッド樹脂を使用します。プラスチック素材単体で用いるレジン充填に比べれば寿命の長い素材ですが、セラミックに比べると劣化や変色のしにくさはやや劣ります。
・費用
ラミネートベニアの場合はセラミック素材を使用するため、治療にかかる費用はダイレクトボンディングに比べてやや高額になります。
・治療回数
ラミネートベニアでは歯を削ったあとに型どりをして一つひとつオーダーメイドでセラミックの薄い板を作製します。歯科技工士が1週間~10日ほどかけて作製したセラミックの板を専用の接着剤で貼りつけていく、という流れです。ダイレクトボンディングの場合は歯の表面に直接ハイブリッド樹脂を盛りつけるため、歯の型どりが不要なぶん治療回数は少なく済みます。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングとラミネートベニアについてご紹介しました。それぞれの治療方法にメリットや注意点があるため、どちらがご自身に適しているかどうかは担当歯科医師とよく相談して検討しましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
ダイレクトボンディングと保険適用のレジン充填の違い
2024/06/19
今回は、ダイレクトボンディングと保険適用されるレジン充填の違いについてご紹介します。ダイレクトボンディングは、ハイブリッド樹脂を用いて歯の形態を修復して隙間を埋めたり、むし歯により失われた歯質を修復する方法です。保険適用されるレジン充填とは何が違うのでしょうか。
使用する素材が違う
ダイレクトボンディングでは、プラスチック素材(コンポジットレジン)とセラミックの粉末を混ぜ合わせた「ハイブリッド樹脂」を使用します。
一方、保険適用のレジン充填では、コンポジットレジンのみを使用します。コンポジットレジンとはベースレジンにフィラーとよばれる粉末を配合したプラスチック素材で、特殊な光を当てると固まる性質をもちます。むし歯治療を筆頭に、現在の歯科治療に欠かせない材料の一つです。保険適用であっても歯の色に近い白色をしていることが最大のメリットで、金属に比べると目立つことなく修復ができます。
色の再現度が違う
ダイレクトボンディングでは、色味や透明感が異なる複数のハイブリッド樹脂を何層にも重ねながら修復をしていくため、もとの歯に近い自然な色調を再現できます。一方、コンポジットレジンは主に4つの色味と色の濃淡によって色がある程度決められています。レジン充填で使用できる色の種類が限られているため、色味や透明感の再現度には限度があります。
寿命や変色のしにくさが違う
ダイレクトボンディングの一般的な寿命は4~6年といわれていますが、保険適用のレジン充填ではもって2~3年で変色したり欠けやすくなったりするとされています。ダイレクトボンディングに使用されるハイブリッド樹脂にはセラミックの粒子が含まれており、レジンに比べると変色しにくい、強度が上がって欠けにくくなるといったメリットが生まれます。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングと保険適用されるレジン充填の違いについてご紹介しました。ダイレクトボンディングはメリットの多い治療方法ではありますが、すべての症例に適用できるとは限りません。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
ダイレクトボンディングは広範囲にできる?
2024/06/14
今回は、ダイレクトボンディングで治療可能な範囲についてご紹介します。ダイレクトボンディングは、ハイブリッド樹脂を用いて歯の形態を修復し、むし歯により失われたエナメル質や象牙質を補う方法です。歯を削る量を最小限に抑えながらも自然の歯に近い美しい見た目を再現できるなど、メリットの多い治療方法ではありますが、治療ができる範囲には注意が必要です。
ダイレクトボンディングは範囲が広くても可能?
ダイレクトボンディングは歯を削る量を少なく抑えられるという特徴がある一方、むし歯が進行して歯質を削らなければいけない範囲が広くなった場合や、歯と歯の隙間が大きい場合などは、ダイレクトボンディングだけでは修復が難しいこともあります。基本的にダイレクトボンディングは広範囲の治療を想定していないため、範囲が広くなればなるほど治療としての難易度も上がることになるからです。
適応範囲は歯科医院によって異なりますが、例えば前歯で半分以上の修復が必要な場合は、ダイレクトボンディングではない治療方法を検討したほうがよいかもしれません。すきっ歯の治療の場合は、前歯の隙間が3mm程度であればダイレクトボンディングで修復できる可能性もありますが、それらも歯や噛み合わせの状態によります。
奥歯のダイレクトボンディング
当院におけるダイレクトボンディングはハイブリッド樹脂を使用しているため、プラスチック樹脂(コンポジットレジン)のみを使用した場合に比べるとある程度の耐久性や強度も期待できます。とはいえ、オールセラミック製のクラウンなどに比べると、欠けやすい、割れやすいといったデメリットはどうしても生じてしまいます。噛み合わせたときに強い力がかかる奥歯は、基本的にダイレクトボンディングにあまり向いていないといえるでしょう。
広範囲の治療にはセラミッククラウンを
このように、治療範囲が広い場合にはダイレクトボンディングの手法が向かないケースもあります。歯科医師とよく相談しながら、セラミック製のクラウン(冠)など他の治療方法を選択することを視野にいれるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングで治療可能な範囲についてご紹介しました。ダイレクトボンディングはメリットの多い治療方法ですが、治療範囲については担当歯科医師とよく相談して方針を決めていきましょう。
当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
ダイレクトボンディングはどこの歯科医院でもできる?
2024/06/10
今回は、ダイレクトボンディングにおける歯科医院の選び方についてご紹介します。ダイレクトボンディングは歯の形態を修復して隙間を埋めたり、むし歯により失われた歯質を修復する方法です。近年ご希望される患者様も増えていますが、どこの歯科医院でも同じレベルでの治療を受けられるとは限りません。
ダイレクトボンディングはどこの歯科医院でもできる?
ダイレクトボンディングはいくつかの色のハイブリッド樹脂を数回にわたって重ねながら、天然歯に近い色調やツヤ、透明感などを再現していく治療方法です。歯の色や形が気になる箇所を手軽に、かつ美しく整えられるなどメリットが多い治療方法ではありますが、どこの歯科医院でもこの治療が受けられるとは限りません。
ダイレクトボンディングの治療で差が出るポイント
ダイレクトボンディングの治療で歯科医師の技量の差が表れるのは以下のようなポイントです。
・ハイブリッド樹脂の色選び
ダイレクトボンディングにおいて非常に重要な要素ともいえる色選びは、歯科医師のセンスが問われる部分でもあります。隣り合う歯との色味の差が出ないように、自然な仕上がりになるような色選びが必要です。
・形成
選定したハイブリッド樹脂を歯に盛りつけ、形を整えていきます。この過程においても歯科医師の経験や技術が問われます。
ダイレクトボンディングの歯科医院選び
ダイレクトボンディングは比較的新しい治療方法であると同時に、専門的な知識や技術が必要とされる治療です。先ほどご紹介したポイントにも通ずるところではありますが、どこの歯科医院でも、またどの歯科医師でも同じような治療結果が得られるということではありません。したがって、できるだけダイレクトボンディングの治療実績のある歯科医院を選ぶのをおすすめします。また、ダイレクトボンディングは治療後のメンテナンスも重要です。定期的な検診など適切なアフターケアが受けられる点も考慮して検討しましょう。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングにおける歯科医院の選び方についてご紹介しました。当院ではダイレクトボンディングをはじめとする審美歯科治療において数多くの治療実績がございます。患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。