インプラント治療と心疾患の関係
2024/02/09
今回は、インプラント治療と心疾患の関係についてご紹介します。
高齢の方がインプラント治療を行う場合は、全身疾患の有無や状態もある程度考慮しなければなりません。心疾患は日本における死因で2番目に多いとも言われている疾患で、三大主要死因の一つにもなっています。
心疾患とは
心疾患とは心臓に起こる病気の総称で、具体的には心筋梗塞、狭心症、不整脈、心筋症、心臓弁膜症、心不全などが挙げられます。単独で生じることもあれば、複数の心疾患を同時にもつケースもあり、それらによって生活の質が低下することも懸念されている疾患です。原因はそれぞれの病気によって異なりますが、中には食事や喫煙などの生活習慣が原因となって起こる心疾患もあります。
心疾患はインプラント治療に影響がある?
過去に心筋梗塞を発症したことがある方は、直近のインプラント治療は避けるケースがほとんどです。心筋梗塞の治療から半年以上が経過しており健康面に問題がない場合は、インプラントの治療を進めることができます。狭心症の場合も、服薬である程度コントロールができている場合はインプラントの治療に大きな影響はないといわれています。また、心臓になるべく負担をかけないように、サージカルガイドを使用してなるべく手術時間を短縮できるような方法をとったり、局所麻酔だけでなく静脈内鎮静法を併用しながら手術を行う場合もあります。
服薬の影響はあるのか
心筋梗塞や狭心症にかかったことがある方は、血液の流れをサラサラにして血栓をつくらせないための薬を処方されていることが多いのではないでしょうか。ワーファリンなどに代表される抗凝固薬は、手術中の止血に影響を与える可能性があります。そのため、内服を一定期間中断して手術を行うなどされてきましたが、近年の研究では抗凝固薬の内服を継続したままインプラントの手術を行っても、止血処理をしっかり行えば問題ないとも言われています。過去の既往歴や内服している薬がある場合は、必ずインプラントの治療前に担当歯科医師に申し出るようにしましょう。
まとめ
今回は、インプラント治療と心疾患の関係についてご紹介しました。高齢の方がインプラント治療を検討する際は、様々なリスクも考慮した上で、それでもインプラントを選択するのか、入れ歯やブリッジにするのか、歯科医師とよく相談しましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
ホワイトニングの後戻りと再着色の違い
2024/02/07
今回は、ホワイトニングの後戻りと再着色の違いについてご紹介します。せっかくホワイトニングをしたのであれば、できるだけ白い歯を長く維持したいですよね。後戻りと再着色の違いについて知っておきましょう。
ホワイトニングをした歯が後戻りする仕組み
ホワイトエッセンスでのホワイトニングであっても、残念ながら効果は永久ではありません。徐々に後戻りしていくことはどうしても仕方のないことです。それは、後戻りの仕組みに原因があります。歯の表面のエナメル質は常にミネラル成分の消失(脱灰)とミネラル成分の再形成(再石灰化)を繰り返しているため、これにより元の歯の色に近づいていってしまうのです。とはいえ、これはご自身の元の歯の色に近づいていくものなので、ホワイトニングの施術完了後すぐや数週間で後戻りしてしまうことはまずありません。
ホワイトニングをした歯が再着色する仕組み
頻繁に着色しやすい食べ物や飲み物を摂取していると、どうしても歯の表面に着色はしやすくなります。ただし、これはあくまでも「着色」であり、歯の色そのものが元の色に戻る後戻りとは全く別のものです。コーヒーや紅茶、ワインなどを日常的によく飲む方は、再着色のリスクも高いといえるでしょう。
後戻りや再着色を防ぐために気をつけたいこと
後戻りや再着色を完全に防ぐことはできませんが、その時期をできるだけ遅らせることがホワイトニング効果を長持ちさせるためには大切です。
後戻りを防ぐためには、定期的に追加でホワイトニングの施術を行う「タッチアップ」を受けることをおすすめします。定期的なタッチアップで高いレベルの白さを保つことができます。
再着色を防ぐためには、着色しやすいといわれている食べ物や飲み物を摂取した後に歯にステインが沈着する前にケアすることが大切です。歯の表面のペリクルと呼ばれる膜にステイン(着色汚れ)がつくと着色の原因となるため、ステインを除去する効果のある歯磨き粉を使うのも一定の効果が期待できるでしょう。また、歯科医院での定期的なクリーニングを受けることもおすすめです。
まとめ
今回は、ホワイトニングの後戻りと再着色の違いについてご紹介しました。それぞれの違いを知り、できるだけホワイトニング効果を長持ちできるようにしましょう。
当院は、ホワイトエッセンス加盟医院です。患者様お一人おひとりの歯の質やご希望に合わせた最適なホワイトニングをご提案いたします。ホワイトニングのご予約やお問合せはお電話で承っております。
インプラント治療と高血圧の関係
2024/02/02
今回は、インプラント治療と高血圧の関係についてご紹介します。
高齢の方がインプラント治療を行う場合は、全身疾患との関連も考慮しなければなりません。高血圧は日本で患者数が最も多い疾患とも言われています。自覚症状のない方も多く、単に血圧が高くなるだけでなく心疾患や脳疾患を誘発する可能性もあるため注意が必要です。
高血圧とは
高血圧とは、血圧の値(収縮期血圧と拡張期血圧)が140/90mmHg以上の状態です。血圧が高くなることで圧力の高い血液が血管を流れることになり、それが血管に負担をかけます。それにより脳梗塞や脳出血などの脳血管障害、心不全や心肥大、動脈瘤などの心血管疾患、高血圧性腎不全などの合併症を引き起こす可能性があります。
高血圧はインプラント治療に影響がある?
基本的に、高血圧があっても歯科治療を受けることには問題ありません。ただし、インプラントの治療によるストレスや手術への不安は血圧を上昇させる可能性があるため、手術中は血圧を常にモニターし、急激に血圧が上昇することがないようコントロールする必要があります。また、手術後には患部の感染を予防するための抗生物質や痛み止めの鎮痛剤が処方されます。薬の種類によっては高血圧の薬の効果を抑制してしまうことがあるため、飲み合わせに気をつけなければなりません。
カルシウム拮抗薬と歯肉増殖症
高血圧の治療薬のひとつに、カルシウム拮抗薬があります。血圧を下げる効果がある薬ですが、詳しいメカニズムは不明であるものの副作用として「歯肉増殖症」があるといわれています。歯肉増殖症は、歯ぐきが歯周病によって腫れるのとはまた別の疾患で、歯ぐきの線維性組織が増殖する病気です。歯ぐきが増殖して盛り上がることで歯磨きがしにくくなり、インプラントのメンテナンスに影響を及ぼす可能性があるのです。カルシウム拮抗薬を服用していたとしても、毎日の正しい歯磨きと定期的な歯科医院でのメンテナンスを欠かさず行うことが大切です。高血圧に関連するものはもちろん、そのほかにも服用している薬がある場合は前もって担当歯科医師に申し出ておきましょう。
まとめ
今回は、インプラント治療と高血圧の関係についてご紹介しました。高齢の方がインプラント治療を検討する際は、様々なリスクも考慮した上で、それでもインプラントを選択するのか、入れ歯やブリッジにするのか、歯科医師とよく相談しましょう。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。