インプラント治療と金属アレルギーの関係
2024/02/16
今回は、インプラント治療と金属アレルギーの関係についてご紹介します。
歯科治療では被せ物や詰め物をはじめとする材料に金属が使われることがあります。これによりアレルギー反応が出る方もいらっしゃいますが、その場合でもインプラント治療は可能なのでしょうか。また、どのようなことに気をつけるとよいのでしょうか。
金属アレルギーとは
金属に対して赤みや発疹、腫れ、かゆみなどのアレルギー反応が起こり、皮膚や粘膜に炎症を生じる疾患を金属アレルギーといいます。原因は、身体の免疫機能が金属を有害なものとして認識することにあります。金属アレルギーを生じさせる金属には、ニッケル、クロム、コバルトなどが挙げられます。
インプラントの素材
インプラントは多くがチタンと呼ばれる素材で作られています。チタンは金属でありながらも生体親和性が高く、身体の中で分解されて炎症や免疫反応を起こしにくいとされています。そのため、歯科用のインプラントだけでなく、ボルトやプレートなど様々な医療部品にも用いられています。
金属アレルギーはインプラント治療に影響がある?
基本的には、金属アレルギーがあってもインプラントの治療に大きな影響はありません。ただし、チタンが絶対に金属アレルギーを起こさないわけではない、ということは念頭に置いておきましょう。純チタンやチタン合金で金属アレルギーの症状が出たという事例もわずかながら報告されていることから、念のため以下のようなことに注意しておくことも必要です。
・金属アレルギーであると申告しておく
インプラントの治療を始める前に、金属アレルギーであることは歯科医院に申告しておきましょう。必要に応じてパッチテストなどの検査をしておくこともできます。
・上部構造(人工歯)の素材に注意
インプラントの人工歯根や連結部品はチタン製であることがほとんどですが、上から被せる上部構造(人工歯)は金属アレルギーの原因となる素材が部分的に使われていることもあります。セラミックやジルコニアなど、金属アレルギーの心配がない素材を選ぶようにしましょう。
まとめ
今回は、インプラント治療と金属アレルギーの関係についてご紹介しました。金属アレルギーにご不安やご心配がある場合は、あらかじめ担当医までお申し出ください。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。