インプラント治療前に行うサイナスリフトとは?
2023/06/16
インプラントを埋め込む顎の骨の厚みや量が足りない場合、骨の再生や移植を行う治療が別途必要になります。その中の一つが、サイナスリフトです。今回は、サイナスリフトの治療法の概要や手順をご紹介します。
サイナスリフトとは
骨の吸収により上顎の骨の量(厚み)が足りない場合や上顎洞が拡大している場合、インプラントを埋入したときに顎の骨を突き抜けてしまいます。そうならないために上顎の骨を補うのが、サイナスリフトです。骨造成術の一種で、上顎洞底拳上術ともいいます。インプラント治療の前にこの治療を行っておくことで、埋入したインプラントが上顎洞に侵入するリスクも低くなります。
サイナスリフトが適応となるケース
インプラントを埋入する箇所の顎の骨の厚みが5mm以下に満たない場合や、欠損している箇所が多い場合にサイナスリフトの治療が適応されます。顎の骨の厚みが5mm以上はあるもののインプラントを入れるには不十分であると判断される場合は、また別の骨移植の治療が必要になります。
サイナスリフトのメリット
サイナスリフトは骨を広範囲に造成できる治療方法であるため、歯を複数本失っている場合にも適応ができるほか、長さのあるインプラントも使用できるようになります。また、治療の効果が長く持続すると世界でも認められている治療方法であり、数多くの症例報告もなされています。手術中は歯科医師が治療箇所を目視しながら処置を行えるため、比較的リスクの低い治療方法であるともいえます。
サイナスリフトの治療手順
サイナスリフトは次のような手順で治療が行われます。
- インプラントを埋入する場所の歯ぐきを切開し、顎の骨の側面が見えるように剥離します。
- 顎の骨の側面に窓を作り、上顎洞と骨の間にある薄い膜(シュナイダー膜)を剥がします。この膜と顎の骨の間に人工骨や自家骨などの骨補填材を入れ、インプラントを埋入できるだけの厚みを作ります。
- その後、作った窓を塞いで剥離した歯ぐきを戻し、縫合します。
骨補填材により骨が回復するまでの期間には個人差がありますが、おおむね3ヶ月から6ヶ月程度はかかります。骨ができていることを確認してからでないとその先のインプラント治療には進めないので、この間は安静に過ごしましょう。
まとめ
今回はサイナスリフトの概要やメリット、治療の手順についてご紹介しました。次回はもう一つの骨移植治療であるソケットリフトについてご紹介します。
当院では、知識と経験の豊富な歯科医師やスタッフが治療を担当いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。
Category - インプラント