ダイレクトボンディングは広範囲にできる?
2024/06/14
今回は、ダイレクトボンディングで治療可能な範囲についてご紹介します。ダイレクトボンディングは、ハイブリッド樹脂を用いて歯の形態を修復し、むし歯により失われたエナメル質や象牙質を補う方法です。歯を削る量を最小限に抑えながらも自然の歯に近い美しい見た目を再現できるなど、メリットの多い治療方法ではありますが、治療ができる範囲には注意が必要です。
ダイレクトボンディングは範囲が広くても可能?
ダイレクトボンディングは歯を削る量を少なく抑えられるという特徴がある一方、むし歯が進行して歯質を削らなければいけない範囲が広くなった場合や、歯と歯の隙間が大きい場合などは、ダイレクトボンディングだけでは修復が難しいこともあります。基本的にダイレクトボンディングは広範囲の治療を想定していないため、範囲が広くなればなるほど治療としての難易度も上がることになるからです。
適応範囲は歯科医院によって異なりますが、例えば前歯で半分以上の修復が必要な場合は、ダイレクトボンディングではない治療方法を検討したほうがよいかもしれません。すきっ歯の治療の場合は、前歯の隙間が3mm程度であればダイレクトボンディングで修復できる可能性もありますが、それらも歯や噛み合わせの状態によります。
奥歯のダイレクトボンディング
当院におけるダイレクトボンディングはハイブリッド樹脂を使用しているため、プラスチック樹脂(コンポジットレジン)のみを使用した場合に比べるとある程度の耐久性や強度も期待できます。とはいえ、オールセラミック製のクラウンなどに比べると、欠けやすい、割れやすいといったデメリットはどうしても生じてしまいます。噛み合わせたときに強い力がかかる奥歯は、基本的にダイレクトボンディングにあまり向いていないといえるでしょう。
広範囲の治療にはセラミッククラウンを
このように、治療範囲が広い場合にはダイレクトボンディングの手法が向かないケースもあります。歯科医師とよく相談しながら、セラミック製のクラウン(冠)など他の治療方法を選択することを視野にいれるのもよいでしょう。
まとめ
今回は、ダイレクトボンディングで治療可能な範囲についてご紹介しました。ダイレクトボンディングはメリットの多い治療方法ですが、治療範囲については担当歯科医師とよく相談して方針を決めていきましょう。
当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。