歯をなるべく削らない治療とは?基本的な理念を解説します
2024/04/19
今回は、歯をなるべく削らない治療「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方についてご紹介します。これまでのむし歯治療というと、むし歯になった部分の歯を削ったり神経をとる治療が一般的でした。しかし、近年は「なるべく歯を削らない、できるだけ神経を残す」という考え方が広まりつつあります。
ミニマルインターベンション(MI)とは
むし歯の管理において介入を最小限にしようという考え方を「ミニマルインターベンション(Minimal Intervention)」といいます。ミニマルインターベンションにおいては、「むし歯の管理においてできるだけ歯質や神経を犠牲にせずに治療をする」ということを基本理念としています。
ミニマルインターベンションの誕生
それまで「むし歯になったら歯を削る、神経をとる」という治療方法が当たり前だった歯科業界において、大きな変化が起きたのは2000年のことです。2000年にオーストリアのウィーンで行われた国際歯科連盟(FDI)において、「Minimal Intervention in the Management of Dental Caries」が採択されました。これがミニマルインターベンションの始まりです。
ミニマルインターベンションの考え方
2000年のFDIにおいて採択された理念の中では、むし歯治療のマネージメントとして以下の5つの項目が挙げられています。
- お口の中の細菌叢の改善
- 患者さまに対する指導・教育
- エナメル質および象牙質に限局したむし歯で、まだ齲窩(むし歯の穴)を形成していないむし歯に対する再石灰化の促進
- 齲窩を形成したむし歯に対する最小限の切削
- 欠陥のある詰め物や被せ物の補修
このように、むし歯の治療に対する考え方の中で初めて「最小限の切削」という言葉が登場したのです。ミニマルインターベンションというと「歯を削らない」という点がクローズアップされがちですが、これはミニマルインターベンションにおける概念のうちの一部であるということを知っておきましょう。
まとめ
今回は、歯をなるべく削らない治療「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方についてご紹介しました。むし歯の治療方法は年々進化を遂げてはいますが、まずはむし歯にならないことが何よりも大切です。毎日の丁寧なセルフケアと定期的な歯科医院の受診でむし歯を予防しましょう。
当院ではミニマルインターベンション(MI)の考え方に基づき、患者さまお一人おひとりにとって最善の治療方法をご提案しております。ご予約、お問合せはお電話で承っております。