口腔機能低下症の7つの検査とは
2024/12/04
「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方には5つの項目が掲げられており、その中の一つに「患者様への教育」があります。その代表例でもある口腔衛生指導(OHI)は歯科医院において欠かせない役割を果たしており、単に歯を磨く方法を教えるだけでなく、患者様の全身の健康に直結する重要なプロセスです。今回は、口腔機能低下症の7つの検査についてご紹介します。
口腔機能低下症を早期発見するには
口腔機能低下症は、加齢や生活習慣の影響で口腔の機能が低下する状態です。噛む力や飲み込む力、舌や唇の動きなどが衰えることで、食べ物がうまく飲み込めなくなったり、発音が難しくなったりと日常生活に支障が出ることがあります。口腔機能低下症を早期発見・改善のためには、以下の7つの検査を行います。
・咀嚼力の検査
咀嚼力とは、食べ物をしっかり噛み砕く力のことです。検査用のガムで咀嚼後の色変化を確認し、どれだけ噛む力があるかを評価します。咀嚼力が低下すると食事の楽しみが損なわれるだけでなく、消化にも影響が出るため重要な検査項目です。
・嚥下機能の検査
嚥下機能は、飲み込みの力や動きを確認する検査です。飲み物やゼリー状の食品を飲み込んだ際の動作や時間を測定し、スムーズに飲み込めているかを調べます。嚥下機能が低下すると誤嚥のリスクが高まり、肺炎などの病気に繋がることもあります。
・舌圧の検査
舌圧は、舌の筋力を測る検査です。専用の測定器を舌で押し当て、その圧力を計測します。舌の筋力が弱くなると食べ物をうまく飲み込めなくなり、発音にも支障が出ることもあります。
・唾液量の検査
唾液は口腔内の乾燥を防ぎ、食べ物の分解を助ける重要な役割を持っています。唾液量が減少すると口腔内が乾燥しやすくなり、口臭やむし歯、歯周病のリスクが高まります。
・口唇閉鎖力の検査
口唇閉鎖力は、唇をしっかり閉じる力のことです。測定器を使い、口を閉じた状態でどれだけの圧力をかけられるかを確認します。この力が弱くなると食べ物や飲み物がこぼれやすくなり、嚥下にも影響が出る可能性があります。
・口腔乾燥の検査
口腔乾燥は口の中の湿度を測定し、乾燥具合を確認する検査です。口腔内が乾燥すると粘膜が傷つきやすく、感染症のリスクも高まります。
・発音機能の検査
発音機能の検査では、特定の音を発声し、その際の舌や唇の動きを観察します。「パ・タ・カ」といった音を連続して発音してもらい、口や舌の運動能力を評価します。
まとめ
口腔機能低下症は早期に発見し、適切なケアを行うことで進行を防ぐことができます。口まわりの機能で気になることがある場合は、早めに検査を受けるようにしましょう。