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喫煙と歯周病の密接な関係

「ミニマルインターベンション(MI)」の考え方には5つの項目が掲げられており、その中の一つに「患者様への教育」があります。その代表例でもある口腔衛生指導(OHI)は歯科医院において欠かせない役割を果たしており、単に歯を磨く方法を教えるだけでなく、患者様の全身の健康に直結する重要なプロセスです。今回は、喫煙と歯周病の関係についてご紹介します。

 

喫煙が歯周病に及ぼす影響

喫煙は健康全般に悪影響を及ぼすことで知られていますが、口腔内にも大きな影響を与えます。特に歯周病との関連は深く、喫煙者は非喫煙者に比べて歯周病になるリスクが高いとされています。また、歯周病の治療効果を低下させる原因にもなります。歯周病は、歯を支える歯ぐきや骨が炎症によって破壊される病気です。初期段階の歯肉炎を放置すると進行して歯周炎となり、最悪の場合は歯を失うことにつながります。

 

・歯茎の血流を悪化させる

煙草に含まれるニコチンや一酸化炭素は血管を収縮させ、歯ぐきへの血流を減少させます。その結果、歯ぐきの免疫力が低下し、細菌感染が起こりやすくなります。さらに、歯周病の初期症状である歯ぐきの腫れや出血が目立たなくなるため、発見が遅れることがあります。

 

・歯周病菌の繁殖を助ける

喫煙は口腔内の環境を変化させ、歯周病菌が繁殖しやすい状態を作ります。また、唾液の分泌量が減少して口腔内の自浄作用が弱まるため、プラークや歯石がたまりやすくなります。

 

・治療効果を妨げる

喫煙者は非喫煙者に比べ、歯周病の治療効果が得られにくい傾向があります。歯ぐきの回復には血流が重要ですが、喫煙はこれを阻害します。さらに、インプラント治療や歯周外科手術後の治癒にも悪影響を与えることが報告されています。

 

歯周病リスクを減らすために

 

・禁煙を始める

禁煙によって血流が改善し、免疫力が回復することで、歯ぐきの健康が向上します。また、歯周病治療の効果も高まりやすくなります。

 

・定期検診を受ける

喫煙者は歯周病の進行が早いため、歯科医院での定期検診やプロフェッショナルケアが不可欠です。必要に応じて適切な治療を受けましょう。

 

・セルフケアを徹底する

歯磨きやフロス、歯間ブラシを使い、口腔内を清潔に保つことも大切です。プラークがたまりにくい環境を作ることで、歯周病の進行を防ぐことができます。

 

まとめ

喫煙は歯周病を悪化させる大きな要因であり、健康な歯を保つためには喫煙習慣の見直しが必要です。禁煙することで口腔内の健康を取り戻すだけでなく、全身の健康改善にもつながります。歯周病を予防し治療効果を高めるために、ぜひ禁煙を検討してみましょう。

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