インプラント治療に使われるチタンの特徴
2024/03/01
今回は、インプラント治療に使われるチタンの特徴についてご紹介します。
インプラントの治療では、顎の骨に人工歯根を埋め込みます。この人工歯根の多くはチタンとよばれる金属でできていますが、一般的な金属とは異なる性質をもつことが大きな特徴です。
チタンとは
チタンは「Ti」の元素記号で表される金属です。他の金属に比べて軽量でありながらも強度や耐久性が高く、銀灰色をしています。医療機器のみならず、宇宙・航空機用材料や建築材料、身近な生活用品まで様々なものに応用されている実用金属です。
チタンの特徴
インプラントにチタンが使われているのには、次のような特徴が理由となっています。
・骨と結合する性質をもつ
チタンが他の金属と異なる最大の特徴が、骨の代謝によって骨とチタンが結合することです。この現象を「オッセイインテグレーション」と呼びます。この性質を利用して、人工歯根は直接顎の骨に埋め込まれるのです。これによりインプラントは高い安定性を保ち、もとの自分の歯と同じように噛むことができるようになります。
・生体親和性が高い
通常、人間の身体は異物を感知するとアレルギー反応を起こすようにできています。しかし、チタンは人体に馴染みやすく身体に無害なものであるため、生体親和性が高く、安全に使用できる素材です。
・錆びにくい
一般的な金属は酸素により劣化したり腐食したりしますが、チタンは酸素との結合力が高いため、表面に酸化被膜を形成して酸素を通しません。プラチナに次ぐ耐食性を持つとも言われており、お口の中で長く使えるようになっています。
・軽い
チタンは他の金属に比べて軽く、加工もしやすいことが特徴です。歯科におけるインプラント以外にも矯正治療用のワイヤーに使われることもありますし、歯科以外にも人工弁や心臓のペースメーカー、人工関節、医療用ネジなど様々な部品に使われています。
まとめ
今回は、インプラント治療に使われるチタンについてご紹介しました。インプラントの治療ではチタンの特性を活かして、歯の機能を回復させます。当院では患者様のお口の中の状況に合わせた治療方法をご提案いたしますので、些細なことでもお気軽にご相談ください。